表面利回りに騙されないためにFCRを知る
今回は1億円の物件。年間家賃収入が1000万円の物件を想定して話を進めます。
忘れてはいけない諸費用。今回も10%載せておきます。
表面利回りは1000万/11000万*100=9.1%。悪くなさそうですね。
今回はそこから一つ踏み込んで、この物件の価値を調査してみます。
Contents
FCRの計算方法
表面利回りはGPI(潜在総収入)を(物件価格+諸費用)で割ったものとなります。その辺りの計算が怪しい方は、下記記事でおさらいしてください。
今回の場合はもちろん1000万/11000万*100=9.1%という計算式になりますね。
しかしFCRの場合はNOI/(物件価格+諸費用)という計算になります。ということで、まずはNOIを算出する必要があります。
NOIを求めてみる
何度も書きますが、この辺りの計算が怪しい人は上記記事を見ておさらいプリーズ。
ではNOIを求めます。まずGPIは1000万円でした。
そこから空室率を5%で見積もってみます。50万円なので、EGIは950万円となります。
そこからOPEXを引きます。GPIの20%と見込んで、年間200万円と想定しましょう。
NOIは1000万円-50万円-200万円=750万円となります。
ということでFCRは?
NOI/(物件価格+諸経費)のパーセンテージでしたから、今回の場合は750万円/11000万*100=6.8%となります。
ではこのFCRが変化するのは、どんな時でしょうか?
NOIを求めた式を思い出してください。GPIから空室損と運営費(OPEX)を引いたのでしたよね。つまり空室損が多くなったり、運営費が増えればFCRは低くなるということです。どんな場合にそんなことが発生するでしょうか?
FCR低下の原因その1・地方
はい、地方もしくは田舎物件です。今回は空室損を年間5%で考えましたが、地方だとどうでしょうか?
10室のうち、1室が年間を通して埋まらない・・・そんなこともあるでしょう。その場合空室損は10%となります。
また、客付けの広告費はどうでしょうか?都心であればAD100で決まっていた物件も、地方では客付けのためにAD300、AD400・・・なんてこともあるでしょう。そうすると運営費率が高くなってしまいます。また、リフォームをまめにするかもしれませんね。その場合は運営費率が高くなってしまいます。
例えば空室損を10%、運営費率をGPIの25%と見積もって先ほどの物件を再計算してみます。
NOI = GPI(1000万) – 空室損(100万円) – 運営費(250万) = 650万円
となりました。ここでFCRを計算しますと650万円/11000万円*100=5.9%となります。だいぶ低くなってしまいました。
FCR低下の原因その2・大型RC一棟
はい、大型RC物件です。エレベータ付いていたら役満です。
数年に一度の大規模修繕、エレベータの点検、故障修理・・・など入りも多いが出るものも多いのが大型RC物件の厄介なところ。新し目のものであれば、そこまでキャッシュアウトもないかもしれませんが、築古物件は要注意です。運営費率が跳ね上がります。
FCR低下の原因その3・超絶古い区分
ビンテージマンション。こちらは区分投資の場合ですが。
例えば某都内にあったビンテージマンション。新築50平米で6,000万円はかたいエリアだったのですが、そのビンテージマンションの売り出し価格はなんと2,000万円。誰でも飛びつきたくなるような価格です。
しかし古いだけあって修繕費が高額。管理費と修繕積立金を合わせると月々10万円という高負担でした。
これも、もちろん運営費が跳ね上がります。
今日のおさらい
「1億円の物件です。年間家賃収入が1000万円あります。表面利回り10%です!」
という情報だけで、不動産を評価することがどれだけ危険なことか、お判り頂けましたでしょうか?
ポイントはインパクトの大きい空室率と運営費を適切に見積もっておくこと。これが非常に大事です。
空室率を見積もるためには、そのエリアの賃貸情報をネットで調べたり、もしくは菓子折りの一つでももって地元の不動産屋さんで聞き取り調査をしてみても良いかもしれません。ADの有無や何ヶ月分か、やリフォームの要不要も探っておきましょう。
運営費の場合、主に考慮しなければいけないのは修繕費用です。構造と規模で大きく変わってきますので、物件に合わせて適切に見積れるよう、常に精進いたしましょう。
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