投資判断にはシミューレション不可欠!
シミュレーションに必要な項目をマスターしましょう。
ややこしそうに見えますが、全てを完璧に理解する必要があります。頑張りましょう!
ここでは「5万円/月の部屋が4戸の2000万円の木造築8年アパートを2%30年のフルローンで買う価値あるの?」を想定して、計算していきます。買うにあたり諸費用200万円は現金で必要だと想定します。合計金額2200万円です。
表面利回りだけで考えれば240万円/2200万円=10.9%の利回り。もちろん実際に買う場合は土地・場所・修繕費用なども考慮する必要がありますが、今回のシミュレーションは帳簿上の数字のみで「いったいどのくらいの手残りがあるのか」を計算し、投資に値するかを見て行きたいと思います。
Contents
GPI(潜在総収入)
年間を通して得られる総収入。5万円/月の部屋が4戸のアパートの場合は240万円となる。しかし「今は5万円で入居があるけど、今後は4万円が妥当であろう」と思われる場合は、その見直し賃料を元に算出すること。
すなわち不動産屋の想定年間賃料を鵜呑みにしてはならない。見直す際は周辺の同規模物件賃料を徹底的に洗い出すこと。
EGI(GPIから空室率をひいたもの)
4戸のうち毎年1室が2ヶ月空室になると想定すると空室率4%。それより多めに見ておけば5%。
240万の5%は12万円。それをGPI240万円からひくと228万円。これが空室を考慮した、年間の収入となります。
OPEX(運営費用)
毎月・毎年必要な運営費用を見積もります。
アパートであれば
- 固定資産税・都市計画税
- 管理手数料(おおむね家賃の5%)
- 清掃費用
- 共用部の電気代
- インターネットプロバイダ料金
区分マンションであれば
- 管理費・修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
- 管理手数料(おおむね家賃の5%)
が必要です。それらのコストが既にわかっている場合はその価格を、判っていない場合はGPIの20%ほどを年間の運営費として計上しておきましょう。
GPI240万円の20%は48万円。それくらいは見込んでおきましょう。
NOI(純営業利益)
GPIからEGIとOPEXを引いたものをNOIと言います。
240万円-12万円-48万円=180万円。これが今回のNOI。随分減ってしまいましたね。2000万円の物件をローンで買えば、このくらいの手残りが見込める、ということです。ここから税金引かれて行きますけどね・・・。そちらは一番最後に引きます。
ADS(ローンの年間返済額)
今回の前提は2000万円の物件を2%30年のフルローンで購入。なので887,076円が年間の返済額となります。
BTCFo(税引前キャッシュフロー)
NOIからADSをひいた残りがBTCFoです。今回の場合は1,800,000円-887,076円=912,924円がBTCFoとなります。
つまり2%30年でローンを組んでも、年間で91万円のキャッシュフローが出るということです。とは言えこれは税引き前の金額。税金を計算するとどうなるでしょうか。
税金の計算方法
本物件の税金をざっくり見積もるに、下記の項目を検討する必要があります。もちろん他の要素も絡んできますが、まずは金額・影響が大きいものだけでシミュレーションして問題ありません。
- 減価償却費
- ローン利息
- 課税所得と税率
それぞれの計算方法を見ていきます。
減価償却費
減価償却費を見積もるには、まず建物価格を割り出す必要があります。今回は2000万円で売り出されている物件を想定していますが、この建物価格はいくらなんでしょうか?
それを知るための一番簡単な方法は売買契約書を見ることです。今回は建物500万円、土地1500万円と想定します。
次に耐用年数を知ることが必要。木造は22年、れんが38年、RC造は47年、設備は15年が耐用年数です。
そして建物の法定耐用年数を既に超えている場合、下記の計算式で耐用年数を計算します。
耐用年数=法定耐用年数×0.2(端数切り捨て)
まだ法定耐用年数を超えていない場合は
耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2(端数切り捨て)
で計算します。今回想定している建物は築8年の木造建築物ですから、
耐用年数=(22-8)+8*0.2=15.6となり、端数切り捨てなので15年となります。そして下記表の15年(定額法焼却率)の欄を見てください。0.067とあります。建物価格にこの係数をかけて年間の建物減価償却率を計算します。
今回は建物500万円と想定していますから、毎年335,000円を減価償却として計上することができます。
ローン利息
今回のシミュレーションでは「2,000万円を2%30年間で借りる」というものです。この場合の利息はどの程度なのでしょうか?
元金は毎月減っていきますので、正確ではありませんが、1年目であれば2,000万円の2%が利息となります。
計算が面倒であれば、こちらをご利用ください。
よって概ね40万円と考えて問題ありません。こちらを経費計上することができます。
課税所得と税率
まず前提として。不動産所得は給与所得と損益通算可能です。つまり給与所得が別にあるサラリーマンの場合。そちらの給与と不動産所得をがっちゃんこして、税率を決めることとなります。
所得税についての目安ですが、
- 課税所得が195万までであれば5%
- 195万超え330万円以下は10%
- 330万円超え695万円以下は20%
- 695万円超え900万円以下は23%
- 900万円超え1800万以下は33%
- 1800万円超えは40%
となります。課税所得は給与所得(収入じゃなくて所得です)と不動産所得の合算です。
それに住民税が一律10%乗ってきます。
今回のNOIは180万円でした。そこから減価償却費とローン利息をのぞくと約107万円。これを課税所得として考え、また税率が所得税+住民税合わせて33%と仮定すると、353,100円が納税額となります。
ATCFo(税引き後キャッシュフロー)
ローンの支払いなどを全て行なった後、かつ税引き前のキャッシュフロー(BTCFo)は912,924円でした。
そこから納税予定額353,100円を引くと559,824円となりました。これがATCFo(税引き後キャッシュフロー)となります。
まとめ
今回はこのような結果となりました。
GPI 2,400,000円
EGI 2,280,000円(空室率5%をひいた)
OPEX 480,000円(GPIの20%)
NOI = EGI-OPEX = 1,800,000円
ADS 887,076円
BTCFo 912,924円
納税額 353,100円
ATCFo 559,824円
※納税額の計算は経費として大きい減価償却費とローン利息を引いた所得に33%をかけて算出
2,000万円の物件を買う際、物件の価格以外にかかる費用があります。
- 司法書士報酬
- 固都税清算金
- 印紙代
- 不動産仲介手数料
- ローン手数料
- 火災保険料
などなど。結構あるものです。これらの費用も考慮しなければいけません。一般的には10%ほど見ておけば良い、と言われています。つまり今回の物件は2000万円でしたが、別途200万円の費用を見込んでいました。
大抵の場合。その費用まではローンで貸してくれません(フルローンではなく、オーバーローンというものであればカバーされます。でも借りすぎでしょうw)よって今回の物件であれば200万円は準備しておかなければいけません。
200万円の持ち出しで、毎年559,824円の収入がある・・・。
これは魅力的なのでしょうか?
次回はその考え方について考えていきたいと思います。
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One thought on “不動産投資のシミュレーションをきちんと出来ていますか?”
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