税務署が目を付けるポイント満載「不動所得用決算チェックシート」が届いたのでアップ

さぁ、今年も確定申告の季節がやってきました

不動産賃貸業を営んでいるみなさん、こんにちは。確定申告の季節がやってきましたね。

ベテラン大家さんは税理士に丸投げってことも多いかと思いますが、ご自身で頑張っている方も多いはず。

先日、税務署から「不動産所得用の決算チェックシート」というのが郵送されてきまして、便利そうなので共有です。

決算チェックシート(不動産所得用)

収入金額について(決算書①〜③欄)

次の収入の計上漏れはありませんか?

  • 礼金、権利金、香辛料、名義書換え料
  • 共益費や修理代名目の収入
  • 未収入分
  • 保証金や敷金などのうち、返還をようしない部分
  • 消費税について税込経理を行なっている場合の還付消費税額

租税公課について(決算書⑤欄)

  • 自己の居住用部分など貸付用以外の部分の固定資産税を除いていますか。

損害保険料について(決算書⑥欄)

  • 自己の居住用部分などの貸付用以外の部分を除いていますか。
  • 長期損害保険料の積立部分を除いていますか。

修繕費について(決算書⑦欄)

  • 自己の居住用部分など貸付用以外の部分を除いていますか。
  • 修繕費のうち、固定資産の使用可能期間の延長又は価値の増加をもたらす支出(資本的支出)は、資産に取得原価になりますが、修繕費から除いていますか。

減価償却費について(決算書⑧欄)

  • 償却期間の誤りはありませんか。
  • 自己の居住部分など貸付用以外の部分を除いていますか。
  • 減価償却方法の届出は適正になされていますか。
  • マンションなどの取得価格に土地部分は含まれていませんか。
  • 耐用年数及び償却率は適正ですか。

借入金利子について(決算書⑨欄)

  • 自己の居住部分など貸付用以外の部分を除いていますか。
  • 借入金元本の返済額を計上していませんか。
  • 決算書23欄「所得金額」が赤字で⑨欄に算入した金額のうちに土地等を取得するために要した負債の利子の額がある場合は、その負債の利子の額を所定の欄に記入していますか。

地代家賃(決算書10欄)

  • 自己の居住部分など貸付用以外の部分を除いていますか。
  • 生計を一にする親族に対して支払っているものを除いていますか。

その他の経費(決算書11〜17欄)

  • 家事上の費用(住まいや生活のための消費に係る部分など)を必要経費に計上していませんか。
  • ◎水道光熱費、旅費交通費、接待交際費は特にご注意ください。

専従者給与について(決算書20欄)

  • 不動産の貸付けが事業規模で行われていますか。
  • 専ら事業に従事していないものを専業者としていませんか。
  • 専従者給与にかんする(変更)届出書は提出していますか。
  • 配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除と重複していませんか。

青色申告特別控除額について(決算書22欄)

  • 以下のいずれかに該当するにも関わらず、10万円を超える金額を控除していませんか。
    – 決算書の4ページの貸借対照表の記載がない、もしくは不十分。
    – 正規の簿記(一般的には複式簿記)の原則に従った記帳がされていない。
    – 決算書及び確定申告書を申告期限内に提出していない。
  • 不動所得のみ有する場合で、10万円を超える金額の特別控除の適用を受けるには、不動産の貸付けが「事業」として行われていることが必要です。

恐らくですが、、

税務署さんが毎年再三にも渡って忠告しているにも関わらず、同じようなミス(もしくは確信犯)で間違った数字を入れてくる輩が多い項目なのかと思います。

これらの項目は特に注意してこっちもチェックしてるからな!オラオラ!

という、ポイントなのでは?と思いますので、みなさん特に注意しましょう。

 

まず全体的に目立つポイント。それは。

自己の居住部分など貸付用以外の部分を除いていますか。

です。一体何回出てきたでしょうか。なんどもなんども出てきますから、この部分「かなり激おこ」かと推測されます。

この部分。「賃貸併用住宅」のようなレアなケースではなく、恐らくですが、

「俺は自宅を事務所利用しているから、その部分のコストは経費なのじゃ!!」

という方向けのお灸かと思います。不動産賃貸業を事業規模で営んでいる、と言っても例えば自宅経費の1/2を経費計上するのは無理があると思いますよ、という事です。

 

次に。唯一二重丸◎で注意を促されている箇所。それは経費の計上について「水道光熱費、旅費交通費、接待交際費は特にご注意ください」とされている箇所。

これは確信犯的に計上する人、多そうですね。家族旅行の費用を不動産物件調査として偽って全額計上したり、友達との飲み会を「不動産業者との情報交換会」と偽ったり。ク◯業者の中には、その辺りを積極的に指南している物もいますが、個人的にはあまりオススメできませんね。税務署との信用は大事です。セコイことやっても対してメリットありません。何か問題があったさい、ク◯業者が責任取ってくれる訳でもありません。この辺りは注意しましょう。

 

逆に、悪意なく間違えそうなポイントとしては「専従者給与を支払うさいは予め届出が必要」という点や「不動産所得が赤字の場合は土地分の利子を経費計上できない」という点かと思います。この辺りはMFクラウドを使えば、一気に問題解決です。

 

確定申告にについては下記記事でも触れていますので、ぜひどうぞ。

確定申告に向けて”いますぐ”やるべき10のこと。手遅れになる前に急ぐのです!

 

 

確定申告に向けて”いますぐ”やるべき10のこと。手遅れになる前に急ぐのです!

不動産をお持ちのみなさん、そろそろ確定申告の準備した方が良いですよ!

締め切りは3 月なんだから、まだまだ余裕あるって?いやいやいや、確定申告は結構面倒ですよ。

これまで自分でやってきたから大丈夫?
それなら久しぶりに帳簿見てみてください。計上や仕訳の方法なんて綺麗さっぱり忘れていますから。

今年初めて挑戦する?
そらなら早く準備した方が良いです。意外な落とし穴たくさんあります。

今回は確定申告に向けて、どんな準備をしなければいけないのか。

ざざっと概要をおさらいし、抜け漏れがないか確認しましょう。

確定申告する必要がある人

この記事では不動産収入がある人を対象にします

事業規模であっても、そうでなくても確定申告の対象です。

会社から給与をもらっていても、そうでなくても確定申告する必要があります。

確定申告の種類

確定申告には白色と青色があることは、みなさんご存知だと思います。

そして青色の方が青色申告特別控除がありますので、おトクということもご存知かと思います。ぜひ青色申告に挑戦しましょう。

この先は青色申告するものとして話を進めます。

青色申告対象者

いろいろネットで情報を見ていますと「事業的規模」の人でなければ青色申告できない、ということが時々書かれています。

しかしそうではありません。

青色申告には65万円控除と10万円控除の2パターンがあります。

事業的規模の人は65万円控除を受けられますが、非事業的規模の人は10万円控除しか選択することができません。

逆に言えば非事業規模の人でも青色申告できるということになります。

この記事を読んでいる人は意識高い系だと思いますので、非事業規模であっても青色申告に挑戦してみましょう。

青色申告するために

事業規模・非事業規模問わず、青色申告するためには「開業届」および「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。開業届は国税庁のこのページ、青色申告承認申請書はこのページからPDFで入手できます。書き方は簡単です。

これらは開業してから1ヶ月以内に税務署に提出しましょう(青色申告承認申請書は2ヶ月以内ですが)。提出が漏れても罰則はありませんが、その年の申告を青色で行えなくなります。今年提出が漏れている人は早めに提出しましょう。

また、事業規模の方で奥さんに専従者給与を支払う方もいるかと思います。その場合もあらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しましょう。国税庁のこのページにPDFがあります。

専従者給与を支払う場合は

事業規模の方のみとなりますが、奥さんや親族に毎月給与を支払うことができます。源泉徴収を行わなくても良い月額85,000円に設定している人が多いようです。しかし金額ありきで考えるのではなく、業務に見合う分として正当な対価を支払ってください。(非事業規模の青色の人は青色申告専従者給与だけではなく白色申告の事業専従者控除の適用もできませんので、ご注意ください)

この支払った分は奥さんの懐に入ってチャンチャンとなりますが、注意点もあります。

まず扶養控除・配偶者控除の対象外になります。お父さんの給与から控除できていたものが、無くなるという訳です。会社によっては家族手当の対象外になる場合もあります。そして、控除対象外となるための手続きを会社の人事に提出しなければいけない場合もあります。会社に説明するのはちょっと嫌ですね。

また、専従者としてきっちり働かないといけません。稼働できる時間の半分以上は専従者として働かなければいけません。毎日フルにパートに出て、かつ専従者給与をもらうということはできないのです。逆に言うと半分以下であれば認められるケースもあるようです。

クラウド会計に登録します

MFクラウドのようなクラウド会計ソフトに登録しましょう。アフィリエイトですが、気にしないで踏んでください。当面は無料のプランで大丈夫です。

私もMFクラウドを使っていますが、確定申告がめちゃくちゃ楽です。むしろコレ無しでどうやってやれば良いのか分かりません。ボタン一発で確定申告用の書類がPDFで表示されますので、あとは印刷して税務署に持っていくだけです。

仕訳数の制限などありますが、初めはそれでも問題になりません。

freeや弥生会計なども試しましたが、MFクラウドが圧倒的に使いやすいこと間違いなしです。特に弥生会計は💩。

設定してみる

MFクラウドの使い方説明は別の会に譲るとして、設定のキモだけを説明していきます。他の会計ソフトでもヒントになりますので参考にしてください。

  • 事業所登録は不動産業として登録する。そうすると不動産所得用の仕訳ができるようになる
  • 銀行口座やモバイルsuicaなどと自動連携設定する。それにより全ての口座の状況が一画面で見えるようになる
  • また、それによりボタン一発で仕訳可能となる。(一発で済む場合は以外と少ないけど)
  • 固定資産台帳に所有不動産の情報を入力する。土地・建物・附属設備などを全部分けて
  • 期首残高などの設定をする
  • 「その他経費」があまりにも大きすぎる場合は「広告宣伝費」や「支払手数料」などの科目を追加する。税務署がその他経費の内容を把握しやすくするため
  • 賃貸料という科目には補助科目に「○○ハイツ101号室」などを登録しておく。収益レポートを出力した際に、内訳が分かりやすくなるため。
  • また、青色申告決算書に付帯する不動産収入所得の内訳に、各部屋の賃貸料年額を記載する箇所がある。そこと付き合わせするためにも、上記のような補助科目の設定は大事

経費の深刻に必要な情報をまとめておく

不動産投資事業に関わる費用は経費として計上できます。これはきっちりやっておかないと勿体無い。

あとで見落としがあった!なんて事にならないよう、あらかじめ目処を付けておきましょう。領収書やレシートもまとめておきましょう。

不動産投資事業で適用される経費には概ね以下のものがあります。

  1. 租税公課
    土地・建物に対する固定資産税・都市計画税・登録免許税、不動産取得税・印紙税など
  2. 損害保険料
    火災保険料・地震保険料など。前払いしている人が多いと思いますが、費用計上できるのはその年の分のみ
  3. 減価償却費
    建物や附属設備、もしくは開業費などの償却費用。建物等を購入するために支払った仲介手数料も建物の取得原価に含めて計算することができます。
  4. 修繕費
    畳や壁紙、設備の修理、壁の塗り替え・その他原状回復のために要した費用です。ただし「畳の部屋をフローリングにした」となると修繕とは見なされず資本的支出となる場合があります。資産として見られるのです。そうなると経費として見られなくなるのでご注意ください。
  5. 借入金利子
    不動産の取得にあたり金融機関より借り入れを受けた場合は、その利息分に限って経費計上できます。元金はダメです。また、不動産事業が赤字の場合は土地取得分の金利を経費計上できませんのでご注意を。
  6. 外注管理費
    不動産を管理している会社に支払う費用や清掃会社に支払う費用
  7. 広告宣伝費
    入居者募集時に仲介不動産会社に支払う費用
  8. 旅費交通費
    不動産を見に行った・契約に行った・掃除に行った・不動産セミナーに行ったなど不動産事業に関連する旅費や交通費およびガソリン代や駐車場代などを計上することができます。交通費については領収書がない場合が多いので、用途をきちんとメモしておきましょう。
  9. 通信費
    賃貸不動産で利用しているインタネット通信のプロバイダ料金や不動産会社に電話した時に利用した電話代などを計上することができます。
  10. 新聞図書費
    不動産事業に必要な新聞や雑誌などの購入費用を計上することができます。
  11. 消耗品費
    募集のために要したデジカメの購入費用・パソコン、プリンタの購入費用など
  12. 接待交際費
    不動産会社と打ち合わせ時に支払った飲食代・不動産仲間と情報交換のために要した接待交際費なども事業として必要な場合は計上できます。
  13. 水道代・電気代
    共有部の水道代・電気代や空室中の原状回復中に利用した電気代なども含まれます。
  14. 支払手数料
    仲介会社への仲介手数料や管理会社が振込を行った際の振込手数料も含まれます。また、税理士や司法書士への報酬もこちらに含まれることが多いようです。
  15. 駐車場代・地代
    賃貸に関する駐車場代、賃貸地代

注意点としては不動産事業に本当に必要だったもののみを計上する、また、家賃や車など通常の生活でも使っているものを計上する際はきちんと按分率を計算して一部を計上すると言うことです。

抜け漏れがないように、しかしやり過ぎないようしっかりと準備をして臨みましょう。

余談ですが、以前💩ワンルームマンションを売っている会社の人が「お客さんで1Rを買ってくれた人がいるのですが、初年度でベンツの新車購入費用も丸々経費に計上してOKだったんですよー。税金たっぷり返ってきましたよー😄」とかホザイている人がいました。

やり過ぎはいずれ税務署から天誅がくだります😇そんなアホな事はやらない方が良いです😇

入力してみる

では仕訳をしてきましょう。はっきり言って最初はメチャクチャ苦労すると思います。しかし規模を拡大したい人、マネーリテラシーを身に付けたい人は挑戦してみるべきです。

仕訳の方法についてはここでは割愛しますが、不動産投資をしている人が迷いやすい例を見てみましょう。

 

例1・管理会社から管理費10%と振込手数料1000円を除いた同額の2部屋分100,000円の振込があった。

これを複式簿記で仕訳するにはどうすれば良いでしょうか?

普通預金 100,000  賃貸料 100,000

とやりたくなりますよね?答えは×です。もっときちんと付けましょう。

まず、管理費と振込手数料から逆算すると、そもそもの賃貸料は111,000円だったはずです。そして同額の2部屋からの賃料収入だったのですから、

借方      貸方      補助科目
普通預金 55,500  賃貸料 55,500 ボロコーポ101号室
普通預金 55,500  賃貸料 55,500 ボロコーポ102号室

が賃料収入です。しかし管理費と振込手数料の支出がありますので、

借方         貸方       摘要
外注管理費 10,000  普通預金 10,000   悪徳不動産管理費
支払手数料 1,000    普通預金 1,000    悪徳不動産管理費振込手数料

の仕訳も必要です。

複式簿記の場合はここまで厳密に仕訳をする必要があります。

面倒だなぁ、と思いますがお金の流れをきっちり把握するためにも損はありません。

 

例2・不動産を調査するため電車に乗った。普段使っているsuicaで改札を通った。

これもよくあるパターンだと思います。

借方    貸方     摘要
交通費 1,000  現金 1,000   鎌倉物件調査行き
交通費 1,000  現金 1,000   鎌倉物件調査帰り

とやりたくなると思います。しかし貸方は現金で良いのでしょうか?いつも使っているsuicaで改札を通りましたね?そのsuicaへのチャージを不動産事業で得た現金で行ったなら、これで良いかもしれません。しかし普段使っているsuicaという事は、不動産事業とは関係ない口座から出たお金でチャージしたのでは無いでしょうか?そうすると貸方が現金というのは話がおかしくなります。と言う事で、

借方    貸方      摘要
交通費 1,000 事業主借 1,000  鎌倉物件調査行き
交通費 1,000 事業主借 1,000  鎌倉物件調査帰り

のように貸方は事業主借となります。これは「事業のお金を事業主個人に借りる」という意味になります。

 

例3・ガースル銀行からローン30万円の引き落としがあった

借方     貸方
借入金 300,000 普通預金 300,000

とやりたくなると思います。でもこれでは不完全です。元金と金利に分けなければいけません。

借方             貸方
借入金        100,000 普通預金 100,000
借入金利子 200,000 普通預金 200,000

のように分ける必要があります。借入金利子は必要経費に参入されますので。(それにしても利子の高い銀行ですね)

確定申告書類を出力してみる

賃料収入やローンの支払い、交通費などを入力したら確定申告書類を出力してみましょう。
MFクラウドの場合は決算・申告>確定申告をクリックします。その際、自宅の住所やマイナンバー、給与の情報や社会保険料控除の額、源泉徴収の情報、不動産所得用決算書の情報など、かずかずの情報を入力する必要があります。

給与所得者は12月にならないと源泉徴収表がもらえませんが、去年の分を参照するなどして、今から入力してシミュレーションしておくことをおすすめします。

確定申告書Bのリンクをクリックすれば、あら不思議。確定申告書がPDF状態で出てくるじゃありませんか。

還付金の額も分かりますので、あなたが気になっている節税額がいくらになるかのシミュレーションもできます

初めのうちはどこに入力したものがどこに反映されるのか判らないと思います。何か入力>出力を繰り返し行って、どの数字がどこに反映されるのか、なんども試してみることをおすすめします。

アァァァァーどうしても解らん!と言う人は

不動産投資の確定申告。

簡単なようで、初めは本当に大変です。例えばこんな時はどうすれば良いのでしょうか?

  • 事業を開始する前年に支出したリフォーム費用の仕訳方法
  • あらかじめ10年払いした火災保険の仕訳方法
  • 不動産所得が赤字だった場合の土地取得に関わる利子の扱い方
  • 8年ローンで買った附属WIFI設備の仕訳方法

会計ソフトの勉強の時間がなかったり、最初から他人にお任せしたい人は初めから税理士さんにお願いするのが最適です。

こちらの確定申告税理士.netでは最適な税理士さんを紹介してくれます。毎月10,000円〜の固定費用で済みます。確定申告の際に別途料金が取られることはありません。

自分で確定申告はぜひチャレンジして欲しいところですが、「これで大丈夫だ!」と思えるレベルに達するまで最低50時間はかかると思います。あなたが投資家であれば、その時間を月に10,000円で買う、という考えもありでしょう。

それではみなさん、確定申告に向かってグッドラック!