質問です。この収支シミュレーション表で不自然な点はどこでしょう?

以前もらったシミュレーション表を何気なく見ていたら

みなさん、おはようございます。昨日はひどい台風でしたね。無事でしたか?

さて、朝から書類の整理をしていまして、以前💩不動産屋さんからもらった収支シミュレーションを見ていたんですが。

よく見てみたら、ツッコミどころがあったので共有です。探せば埃が出てくるかもしれません。

サイゼリヤの間違い探しのごとく、みなさんも探してみてください。

もう一度、表の写真を見てください

こちらは都内1R築10年の区分マンション。価格は1,640万でした。月額賃料は7万円なので、表面利回りは84万/1,640万で5.1%という巧妙な設定。(しかし私がいつも計算しているように、物件価格+諸経費10%で計算すると84万/(1,640万*1.1)=4.7%となります。しょっぱいです。)

下記は、この区分を買った場合の収支計算表となります。不自然な点はどこでしょうか・・・?

まず、なんで一番下の欄ががっつりマイナスなのか?

これは不動産屋さんからもらう収支シミュレーション表です。収支シミュレーションって「がっぽり儲けまっせー」という表じゃ無いんですか・・?

はい、その通りです。少しでも多く利益が残るように表を作ってくるはずです。

では、この表の一番下はなぜ▲ばかりなのか・・・?

それは不動産所得だからです。

区分マンションを買うカモ人はサラリーマンがほとんど。つまり他に給与所得がある人です。購入の際に投げかけられる魔法の言葉は・・・

も・ち・ろ・ん・節税

給与所得と不動産所得は損益通算できることは、ご存知だと思います。

それを利用して節税するわけですよね。


簡単なモデルを考えてみます。ご存知の方は飛ばしてください。

年収(給与収入)300万円の独身の方Aさんがいるとします。

その方の給与所得は「給与収入から給与所得控除や基礎控除、保険料控除などが引かれ、さらに所得控除を引いて計算」します。この辺りはややこしいので、別編で詳しく勉強しましょう。

そうしますと給与所得は概ね110万円ほど、となります。

所得税の速算表から算出しますと、所得税は55,000円となります。

このAさんが、上記の不動産を購入したとします。表によると1年目の不動産所得は約65万円のマイナス。損益通算は給与所得から不動産所得を引いたり足したりできますので、

給与所得110万円-不動産所得65万円=45万円となります

所得税はこの45万円に対しての5%となりますので、22,500円になります。

もともと会社で55,000円徴収済みでしたから、確定申告をすれば55,000円-22,500円=32,500円が還付される、という訳です。

さらに税金には住民税というものもありますね。こちらは一律所得の10%です。ですので、もともと110万円の10%、11万円が住民税として徴収される予定でした。これが45万円の10%、4万5,000円となりますので、65,000円の節税となります。

合計にして97,500円の節税となりました!!

シミュレーターも作りましたので、こちらもどうぞ。

所得・税額・節税額かんたん計算


この損益通算で節税するスキーム。

節税を増やしたかったら不動産所得を大きくマイナスにして、全体の所得を圧縮すればいいのです

給与所得からたっぷり不動産所得を引く→全体の所得が下がる→税金が下がる→節税になる!

という論理です。

不動産屋さんが節税をプッシュしたい場合、不動産所得を少なく見せればいい、ということが判りました。

という観点でもう一度表を見てみましょう

しつこいですが、もう一度表の写真です。

不動産屋さんの意図が分かった今、この表の不自然な点に気づけますか ?

私は思った。雑費多すぎジャマイカ

年間で20万も計上しています。月額にして約16,000円。

「それくらい経費でるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、不動産で経費計上できる項目は決まってますので、実際にコンスタントにやろうと思ったら難しいと思います。特に区分は手がかかりませんから、お金もかかりません。

ツワモノの中には、「金額的には小さいので、税務署に目は付けられないよ!友人とのご飯や家族旅行の移動費も入れちゃえば!」という理屈で経費参入してしまう人もいるそうですが・・・長い目で健全に不動産経営をしたければ、あまりそんな無理や無茶はしない方がよろしいかと思います。

もし雑費20万計上できないとどうなるか

1年目の不動産所得はマイナス45万円となりますので、この年は給与所得と損益通算して税金還付の恩恵を受けることもできるでしょう?(恩恵なのかどうかは、よくよく考えた方が良いですが)

しかし、2年目。もともと11万円のマイナスの計算でしたが、これが9万円のプラスになります。

とは言え、不動産所得がマイナスの時には経費参入できなかった「土地購入分の金利」を経費参入できますから、ギリギリプラマイ0という感じでしょうか。

問題は3年目以降。19,892円のマイナスとなっていますが、20万円の経費がなければ約18万円のプラスになります。土地分の金利を除いても85,000円のプラスです。

全体の所得が増えますから、節税じゃなくて増税になります

収支も計算してみましょう

1,640万円を2%35年で借りると、月々の返済は5万3千円。

それに管理費8,000円と管理手数料を支払い、月々の持ち出しは約6万5千円。

家賃7万円入ってきても、月々残るキャッシュは5,000円。

年間で6万円ほど手残りありますけど、この物件は固都税で3万5千円持っていかれるので、残り2万5千円。

これで不動産所得がプラスになり、増税になった日には、目も当てられませんですね。

ということで

わたくし、こんなコスイ手でサラリーマンを騙そうとする不動産屋さんが大嫌い。

そもそもエリアも大した事ないのに表面利回り5.1%のマンションも嫌い。

みなさま、ご注意ください。

ちなみに。

だからと言ってこの物件がダメだと言っている訳ではありません。

これが都心ど真ん中の物件であれば、

もしくはローンを組まずにキャッシュで買っても良いほど魅力的な物件であれば、

もしくはそもそも生命保険解約して、団信組みたいだけであれば、

今後は不動産を増やす気がないならば。

そんな人には良い物件かもしれません。

不動産は見る人や評価方法によって価値も様々。この多様性が面白いところですね。

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